正直隣国の料理で日本風に変化し、日常的になったのは中華料理の餃子とラーメンぐらいで、不思議と韓国料理は韓国料理店か焼肉店で食べるのが相場です。餃子もラーメンも本場の中国とは別の料理になっております。しかも日本に入るにはほぼ戦後です。
そして不思議とあれだけ一時は植民地を持っていたのに全く日本に入ってこなかった国・地域の料理もございます。 例えば南洋諸島。第一次世界大戦後に赤道以北のドイツ領ニューギニアを日本が委任統治し、南洋諸島と位置づけします。現在のサイパンやマーシャル諸島、カロリン諸島などです。
台湾。日中戦争後の下関条約で清から割譲させるのですが、当時の台湾は今と違って国民党の残党、外省人が来る前であり、50年近く日本に統治されており、その間に台湾料理が日本に根付いても良かったのに逆に日本食が台湾に輸入されました。これは韓国も同じ。こう考えると日本人って外国の料理が嫌いなのか?と思ってしまいますが、現実的に毎日純粋な和食しか食べていない日本人ってほぼいません。朝食にトースト、お昼にラーメンやカレーライス、夜はメンチカツにコロッケ。
逆に完全に日本料理の代表とも言える天ぷら、とんかつは、カレーライスはヨーロッパの食べ物でした。天ぷらはフリッター、とんかつはカツレツ、カレーライスはイギリス経由で来たインドのカリー。それらを日本人向けにアレンジしたものとなります。 メンチカツもコロッケも立派に日本風にアレンジされたものとなります。
正直フリッターより天ぷらの方が美味しいと思いますが、とんかつとカツレツ、カレーライスとインドカリーは全くの別物として認識している人が多いと思います。
カツレツの親戚にシュニッツェルというのがあります。オーストリアを代表する料理、ウィンナー・シュニッツェルと言えば仔牛のカツレツになります。しかし、元々オーストリア・ハプスブルグ帝国の植民地であったチェコでは仔牛のシュニッツェルはマイナーであり、主流はポークであり、その次にチキン、そしてターキーになります。
シュニッツェル |
シュニッツェルと日本のとんかつの違いは
- シュニッツェルは大量の油やラードを必要としない
- 肉をできるだけ薄く叩く
- 肉に塩コショウをしており、食べる際にレモンを絞る
見た目も似ていて、しかも材料も同じ。それなのに別なものという風に感じてこそ、料理を味わう醍醐味であり、それぞれの違い及び価値観を理解できるのだと思います。
因みにチェコではシュニッツェルの付け合わせはポテトサラダが王道、マッシュポテト、フライドポテトや茹でたジャガイモが当たり前であり、ライスを頼むと店員さんに止められます。
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