2018年5月1日火曜日

ロンドン⑦

イタリアの特殊潜航艇
ロンドンの帝国戦争博物館には英国の兵器もありますが敵軍の捕獲した兵器が多いのも特徴です。これも戦勝国だからできる展示です。

写真は第二次世界大戦のイタリア海軍の特殊潜航艇。特殊潜航艇は英語だとmidget submarineであり、midgetとは小人、極めて小型の、という意味です。なのでそのまま日本語に訳した場合は豆潜水艦や超小型潜水艦なのですが、日本語だと特殊潜航艇となります。これをそのまま英訳したらspecial submarineとなります。因みに潜航艇という言葉は常に頭に特殊が付きます。なので潜航艇という漢字三文字の乗り物、兵器は存在しません。

どうも米軍の仕分けだと150トン以下だと特殊潜航艇らしいです。特殊潜航艇の多くは1人か2人乗りで、居住空間はない。その為、任務ごとに母艦から出撃することになります。日本の特殊潜航艇「甲標的」が有名ですが、こちらは乗員名で、魚雷も船首に二発装備。逆にドイツの特殊潜航艇はもっと小型で、魚雷を改造したものが多く、特殊潜航艇の下に同形の魚雷をぶら下げていたものもあります。

特殊潜航艇と回天を混同される方もおります。特殊潜航艇は乗員のリスクは非常に高いが生還を前提に製作、配備、投入されたので魚雷を発射する仕組みですが、回天は乗員の生還を前提にしておりません。回天は出撃=死です。

特殊潜航艇自体は世界中で開発、運用、実戦配備、投入されておりますが、特攻兵器回天は日本軍のみ。皮肉なのが生還を前提だと特殊、死を前提だと特別という使い分け。現代、日常生活だと特殊の方が特別よりダークですからね。

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明けましておめでとうございます

遅くなりましたが明けましておめでとうございます。 本年も宜しくお願いします。 昨年の12月13日から1月13日まで日本に一時帰国しておりました。 今回は帰省と仕事の両方でしたがあっという間の1か月でした。  今回のポイントは初の種子島訪問でした。